■標準化
事業が発展すると必ず必要となってくるのが、品質、性能、安全性、寸法、試験方法などの規格です。
規格(standards)とは、「標準化(standardization)」という共通のルール(取り決め)をまとめ、制定したものです。
その目的は、「自由に放置すると、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノや事柄について、少数化・単純化・秩序化し、統一する」こととなります。
まず、各企業は、社内標準化に取り組みます。
しかしながら、各企業がそれぞれの規格で取り組んでいては、その事業は企業の域から出ることが出来ず、市場自体も混乱して発展させることは困難です。
そこで、使用実績などを前提として、関係企業や業界などで標準化された規格を制定することとなります。(デファクトスタンダード)
そこから、一般的な普及が進んだり、社会情勢によって、例えば、日本であれば、JIS(日本産業規格)のように公の機関が標準化した規格の制定が必要となります。(デジュールスタンダード)
更に事業が国際的に発展しようとすると、今度は、諸国間の規格の標準化が重要視されることとなります。
それが、ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardization)規格などとなります。
ベンカン・ベトナム製品あるいは製造事業所は、その用途により様々な規格の認定・認証を受けております。
■ISO規格
「ISO」とは、International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称であり、国際的な基準となります。
国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるように」という国際的な基準となります。
一方、製品そのものではなく、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)についてもISO規格が制定されています。これらは「マネジメントシステム規格」と呼ばれ、品質マネジメントシステム(ISO 9001)や環境マネジメントシステム(ISO 14001)などの規格が該当します。
ベンカン・ベトナムでは品質マネジメントシステム(ISO 9001-2015)や環境マネジメントシステム(ISO 14001-2015)の認証を受けております。
■日本産業規格
「JIS」とは、 Japanese Industrial Standards の略称であって、正式には、「日本産業規格」であり、日本の国家標準の一つとなります。
これは、公の機関である国家が消費者に対して示す品質保証基準であるかとも言えます。
ベンカン・ベトナム製品の中で対象となるのは、「JINOXパイプ/一般配管用ステンレス鋼鋼管(JIS G 3448)・配管用ステンレス鋼鋼管(JIS-G-3459)」となります。
その証である「JISマーク」は、「工業標準化法」と「JISマーク表示認証制度」に基づいて、認証を受けた製造事業者などが、適合製品に表示することができます。
また、表示する上で、「品質管理責任者」を置くことが要求されています。
この「品質管理責任者」 ですが、近年の製品品質に関わる事件・事故に鑑み、JISマーク製品の信頼性を確保するために、その役割が益々重要になってきています。
■ステンレス協会規格
JIS規格は、広く一般に適用されるか、その置かれた社会情勢などによって規格化が検討されます。
対して、SAS(Stainless Steel Association Standard)とは、ステンレス協会が認定したステンレス協会規格(デファクトスタンダード)です。
ステンレス協会とは、ステンレス関連企業及び団体が協力し、ステンレス鋼製品の需要開発、技術向上、調査研究の充実等を図り、国際見地に立ったステンレス鋼産業の健全なる発展を期すると共に、わが国産業、経済、社会生活および国民生活の繁栄に寄与することを目的に組織された団体です。
ステンレス配管を普及させるためには、各企業の社内規格だけでは、市場自体も混乱して発展させることは困難です。
ステンレス協会規格は、ステンレス配管機材の品質安定・向上および製造・加工などの技術向上に寄与することを目的とした規格であり、日本の国土交通省制定機械設備工事仕様書に準じて制定している公的な規格となります。
まず、性能基準規格として「一般配管用ステンレス鋼鋼管の管継手性能基準(SAS322)」が制定されており、それぞれ基準が満たされることで個別の認定番号が与えられます。
対象製品は、「モルコジョイント(SAS32203)」、、「BKジョイントⅡ(SAS32224)」、「EGジョイント(SAS32222)」となり、ベンカン・ベトナムではOEM製造工場としての認定を受けております。
■規格の認定・認証
それぞれの規格の要求事項には、寸法や形状、機械的強度などの性能が定められております。
これは、製品品質あるいは使用品質の標準化により、一定基準以上の性能が発揮できるようにすることを目的としています。
また、用途要求に対し、性能が満たされるものかを判断する基準として、これらの規格の取得状況もその判断材料の一つとなります。
つまり、公の機関が公正・平等に定めた保証基準とも言えます。
それ故に規格の取得には、製品の性能はもちろんのこと、生産体制・品質管理体制も厳しく審査されます。
また、取得時だけではなく、その後も定期的にその状況が維持管理されていることが審査されます。
∗ 今後もベンカン・ベトナムでは、TQM(総合品質マネジメント)に基づき、お客様に満足をいただける製品を供給すべく、これらの規格の維持管理に努めてまいります。