・鋳肌がキレイで滑らか
外観部品としても、ロストワックス製品は多く使われております。鋳出し文字やロゴマークの成形も容易に形状出しが可能となっております。
|工程概要
「ロストワックス精密鋳造」の工程概要は、蝋(ワックス)で製品と同じ形状の原型を作り、その周りを鋳物砂や石膏で覆い固めた後に、中の原型を溶かしだして鋳型を製作してます。
そして、その鋳型に溶かした金属(溶湯)を流し込み、冷却して原型と同じ形状となった製品(鋳物)を鋳型を壊して取り出します。
以下で、より詳しくご紹介します。
1.ワックスパターン射出成型、組立て
あらかじめ設計、加工された金型にワックスを流し込み、製品と同じ形状のワックス模型(ワックスパターン)を成形をします。
2. ワックスパターン射出成型、組立て
成形したワックスパターンをランナーに組み立てをします。
ランナーとは、溶かした金属(溶湯)を流し込む鋳込み口から製品の原型部まで流れるための通路です。
組み立て後の見た目から、組み立てたワックスを「ツリー」とも呼びます。
3. コーティング
耐火度が高く熱膨張が少ないジルコン粉などの耐火物とコロダイルシリカなどの粘結材を混合した泥状の鋳型材にワックス模型を浸漬(ディッピング)し、耐火物粒子を振り(サンディング)かけます。
ディッピングとサンディングを繰り返して規定の厚みにし、十分乾燥させます。
4. 脱ろう
十分乾燥させた後に、鋳型内のワックスを加熱および加圧させ、溶かしだしをします。
5. 焼成、溶解
脱ろう工程で除去できなかったワックスの燃焼除去および耐火物の鋳型を焼結し、鋳型強度を上げるということを目的にして、1,000~1,200℃にて焼成をいたします。
6. 注湯
溶かした金属(ベンカン・ベトナムではステンレス鋼)、焼成した後に、鋳型に注湯をいたします。
7. 型ばらし
注湯後の鋳型が冷却した後、ハンマーリングによる打撃をし、鋳型を除去いたします。
8. 湯口切断、仕上げ
湯口、堰を切断砥石で切断をし、製品部のみを取り出しをいたします。
この切断時に除去しきれなかった部分は、ベルトグラインダーにて仕上げを行います。
9. 熱処理
ステンレス本来の性能を引き出すため、適切な熱処理を行います。
このような工程でつくられたロストワックス鋳造は、砂型鋳物よりも強固で表面が美しく、寸法精度が高い仕上がりとなっております。